
「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで。」(千と千尋の神隠しより)
子育てをしていると、自分の子供時代と向き合うことになる機会って、たくさんありますよね。
その結果、辛くなる時もあれば、大事なことに気が付くきっかけをもらうこともあります。
今回は、後者の方の経験です。
保護者として小学校を案内してもらい、図工室に入った時のこと
先日、保護者として小学校で校内の施設を案内してもらう機会があり、色々な教室を見せてもらいました。
その時、図工室を案内してもらった時のこと。
図工室って、絵の具、ペンキ、クレヨン、粘土、ボンドなど様々な匂いが入り混じった独特の匂いがありますよね。
教室に入った瞬間にその匂いが鼻をつき、
ペンキや絵の具まみれになった木の机が並んでいる光景が目の中に飛び込んできたことで、
脳内に不思議な変化が起こり、まるで小学生の頃にタイムスリップして、
小学生の自分が図工室に入る瞬間に立ち戻ったかのような不思議な感覚を覚えました。
普段、子供時代のことがあまり思い出せない
私の子供時代は、生育環境に問題があり、更にはHSPとしての傾向もあって
自分自身が様々な問題を抱えていたから、
うまく人間関係を作れなかったりとか、
思い出すと苦しくなるようなことがたくさんあります。
そのために、脳が正常に働かなくなったのか、
それともなるべく思い出さないようにしようという防御機能が働いているからなのか、
極端に子供時代の思い出が抜け落ちているようなところがあって、
昔話になった時に私だけが覚えていないことが非常に多くて、
「本当にそんなことがあったんだろうか」と怖くなったりもします。
そして、その記憶の抜け落ちている部分って、
必ずしも自分にとって辛い思い出だけではないんですよね。
普段の何気ない思い出、良い思い出とか、読んでいた漫画、見ていたTVのこととか、
そういった記憶もごっそり一緒に抜け落ちてしまっている感じです。
だから、私は子供時代のことについては、
ちょっとした記憶喪失なのかなと思っていました。
図工室に入った瞬間に子供の頃の自分が蘇った
でも、図工室に入った時に、あの独特の匂いや光景が
子供の頃の自分の感覚を蘇らせてくれたんですよね。
私は小学生だった当時、絵を描くことや造形物を製作したり、
視覚的に何かを表現することがとても好きで、
図工の時にはいつも全身全霊で課題に取り組んでいました。
だから、図工室に入る瞬間は、いつもどんな作品にしようかとワクワク、キラキラした気持ちに自然となっていたんですが、
その時の気持ちが図工室に入った時に、大人になった自分の心にも自然と湧き上がってきて、
そういえば子供時代、自分は絵や工作が大好きだったんだなということを鮮明に思い出すことができたんですよね。
それで、「あぁ、思い出せなかっただけで、忘れちゃった訳じゃないんだな。」
と実感することができました。
今まで子供時代を失ってしまったような気持ちでいたんだけど、
ちゃんと心の奥底にしまってあったんですね。
ちょっとした出来事ではありますが、「千と千尋の神隠し」で
ハクが自分の本当の名前を思い出した時のような感動がありました(大袈裟ですが笑)。
思い出は自分を形作る大事なピース
辛い思い出をたくさん抱えていると、脳が正常に働かなくなるのか、
防御機能が働くのか、その辛い思い出の周辺の記憶も含めて、
思い出すことが難しくなってしまいます
(逆に、辛い思い出がいつも頭の中で反芻されて、思い出し過ぎてしまうという場合もあるかもしれませんね。
その場合も、辛い思い出の周辺の記憶については、やっぱり思い出しにくくなるんじゃないかな)。
辛いことを思い出さない分いいような気もしますが、
自分がどんな人間かということを考える時、思い出の果たす役割は大きいですよね。
思い出はパズルのピースのように働いて、自分という人間像を形作ってくれます。
だから、思い出せないことがあるという感覚は、
自分を形作るための大事なピースを失くしてしまったような喪失感につながるし、
心のどこかに穴が空いているような気持ちになるんですよね。
でも、本当は思い出せないだけで、完全に忘れてしまって、失ってしまった訳ではないから、
いつか何かのきっかけで、その大事なピースが見つかるかもしれない。
少しずつ、その大事なピースを見つけていけるかもなと嬉しくなりました。
また、図工がやりたいなぁ。
